ステップアップスクール 当仁
ステップアップスクール 当仁 は、福岡市立当仁中学校の不登校生に寄り添う「教室」ステップアップスクールの保護者を中心とした保護者の会です。2008年度より活動を開始しました。初代会長の田島さん(保護者代表)から2代の中山会長にバトンが引き継がれている。主に木曜日の19時から21時までの定例会と定期的なイベントを実施している。代表は、内田 富美子さんです。
ステップアップスクール(SS)の発足
1997年、同中の不登校生徒は30人を超えていた。不登校の子どもは昼夜逆転の生活を送っていることが多く、同級生の目が気になり、なかなか学校に足が向かない。そうした気持ちに寄り添い、「だったら夜に」の発想で、夜間に集う場を学校内に設けた。
中心になったのは、かつて同中の PTA 役員をしていた 内田 富美子 代表 だった。活動日は毎週水曜と木曜。当初はともに午後7~9時だったが、昼の登校も促そうと現在は水曜の午後1時半~3時半にも開く。参加したら出席日数にカウントする。内田代表は、「子どもは、自分の学校、担任、クラスに認められたいと思っている。学校から離してしまってはダメなのです」と言う。
当初から SS に関わる九州大の田嶌誠一教授(臨床心理学)も、教室に戻るための階段が学校内にあることが、子どもの回復につながっていると指摘する。SS を利用した生徒は、これまでに約100人。夜の SS を足がかりに、昼の SS 、そして教室へと戻っていく生徒は多い。ほぼ全員が、高校進学を果たすという。
その活動は、平成11年度の朝日新聞社主催、第13回「朝日のびのび教育賞」を受賞している。
(一部、朝日新聞記事を引用)
贈呈式で正賞の盾を受け取る 内田 富美子 さん
(2012年3月23日 朝日新聞 朝刊福岡版)
ステップアップスクール 当仁 代表 ご挨拶
当時の中学校校長と九州大学大学院の田島誠一教授等と開設して17年目になります。不登校生の居場所を作り、一人一人が進学・進路のきっかけをつかんでほしいと思ってきました。行事や活動を通して恐怖感の克服や時間の管理、生活習慣の見直し、体力つくり発達障がいと向き合うことなど少しずつ良い方法を見出してきました。
活動を続ける内に自信につながったり、体験が少なく短期間の目標が決められなかったり、自分の意思が決められず周囲に流されたり、対人関係に行き詰ったり問題が大きくなります。決まったこと、決めたことを記録する、緩急をつける、楽しい思いを育てる、あきらめない、自分を好きになる、などに気をつけながらこれからもやっていこうと思います。
また、先輩・後輩の絆は強く卒業生たちが「夏の会」や「送る会」などに集まります。受験のころには面接の体験を話しに来てくれたり、活動の手伝いに来てくれます。何か手伝いたいと思ってくれて嬉しいです。
ステップアップスクール 当仁
代表 内田 富美子